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Mac OS 8.5以降、ウィンドウのタイトルバーなどが立体的なデザインに変わったり、アイコンがより多くの色数で表示されるようになった。これによりデスクトップの外観は美しくなったが、その反面Finderの描画速度はおそくなってしまった。特にCPUのパワーの低いマシンでは、Finderの処理速度にストレスに感じることが多い。Finderの動作にイライラしていたユーザーにオススメなのが、「テーマ」の変更だ。シンプルなデザインのテーマを選択すれば、Finderの描画速度が確実に向上する。フリーウェアの「System 7 theme 1.0.1」は、その名の通りSystem 7のころのアイコンやウィンドウデザインのテーマ。iBook(Dual USB)で同テーマをたくさん試してみたところ、たくさんの書類を収納したフォルダを開閉したり、フォルダ内のアイテムをリスト表示するときなどにキビキビと動作していると感じた。 ハードディスクに複数のパーティションを設定した場合、パーティションによってデータの書き込み/読み出し速度が変わってしまうことをご存知だろうか。実は、ハードディスクドライブ内のディスク(円盤)は、外周と内周によって性能に差があるのだ。ディスクには、「トラック」と呼ばれる領域が同心円状に一定間隔に並んでいる。そして各トラックは、「セクタ」と呼ばれる領域に細分化されている。トラックはディスクの外周にあるほど長くなり、同時にセクタの量は多くなる。これとは反対にディスクの内周ではトラックが短く、セクタの量も少ない。このように外周と内周では記録できるデータの容量に差があるにもかかわらず、ハードディスクは一定の回転数で回っている。そのため、外周ではより多くのデータの書き込み/読み出しを行えるわけだ。なお、ハードディスクに複数のパーティションを設定する場合、最初のパーティションは最も外周にあるトラックに作成される。そしてそのほかのパーティションは、内周に向かって設定されていく。従って、ハードディスクのを複数のボリュームに分割して利用する際は、データの書き込み/読み出しのスピードが速いから外周から使っていこう。また大容量のハードディスクにパーティションをたくさん設定する場合は、最初の領域は仮想メモリ用/次の領域はシステム用/最後の領域はデータのバックアップ用―――という具合に、目的にあわせて使い分けたほうがいい。 アイコンをフォルダに重ねるだけでウィンドウが開くことが出来る。「フォルダナビゲーション」機能。同機能は便利だが、ウィンドウが開くまでの動作に時間がかかるので、あまり利用していないというユーザーもいるだろう。しかしこの動作も、実は高速化できるのだ。Finder上で「編集」メニューから「Finderの設定…」を選ぶと、「Finderの設定」ウィンドウが現れる。初期状態では、「フォルダが自動で開くまでの時間」が「長い」にセットされているはずだ。このスライダーを移動して「短い」に変更すると、フォルダナビゲーションの動作時間が短縮化できる。また、スペースバーを押しながらアイコンがフォルダに重なった瞬間にウィンドウが開くようになる。とにかく速くウィンドウを開きたい!というユーザーこちらの方法を試してみるといいだろう。 マシンにメインメモリを多く搭載すると様々な面で動作が快適になる。ただし気をつけなくてはならない点が1つある。それは、メモリモジュールの種類だ。Macは機能によって、取り付け可能なメモリモジュールの種類や最大容量が異なる。現在発売中のデスクトップ機では、SDRAMと呼ばれるDIMMが、またノート機ではSO-DIMMと呼ばれるDIMMが採用されている。さらに、DIMMとSO-DIMMは、システムバスクロック周波数に合わせてそれぞれPC66〜160という規格に分かれており、マシンに合わせて選択しなければならない。なおSDRAMのメモリには下位互換性があるので、例えばPC160規格のメモリモジュールは、PC66〜133規格に対応したマシンでも可能だ。ただしその場合はもちろん、PC160が本来もつ性能を生かすことは出来ない。反対にPC160規格に対応するマシンではPC66〜133規格のメモリモジュールは使用できないので注意しよう。 CPUのクロック周波数を上げる「クロックアップ」を行えば、Macが高速化することは言うまでもない。ただしクロックアップはマシンの「改造」であり、腕に自信のないユーザーがこの作業を行うとリスクを伴う。安全で簡単にクロックアップを行いたいなら、「MacThrust」の利用がおすすめの手段だ。使用方法は、まずMacThrustの本体にあるディップスイッチを切り替え、希望のクロック周波数になるように設定する。そして、Macのロジックボード上にあるクロック周波数を決定するジャンパーモジュールをはずし、代わりに、MacThrustを差し込めばいい。ただし、ジャンパーモジュールに貼られたシールをはずすと、マシンはアップルコンピュータ(株)の保障対象外となる。従って、MacThrustはユーザーの責任のもとにおいて導入しなければならない。 Macは、搭載しているメインメモリに問題が無いかのテストを起動時に行っている。この「メモリテスト」を省略すれば、起動時間を短縮できる。メモリテストを省略する方法は、まず、マシンの動作中に、コマンドキー+オプションキーを押しながら「メモリ」コントロールパネルを開く。すると、同コントロールパネルの一番下に「メモリテスト」という項目が現れるはずだ。初期状態では「入」がチェックされているので、「切」に変更しよう。すると、次回の起動時から「メモリテスト」が行われなくなる。 「仮想メモリ」とは、実装するメインメモリが少ない場合に、ハードディスクの空き容量をメモリとみなして利用する機能のこと。同機能のオン/オフの切り替えや、仮想メモリとして使用するハードディスクの容量は、「メモリ」コントロールパネルで設定する。以前のMacOSは、仮想メモリを有効にしたと途端にマシンの動作が遅くなることがあったが、現在のMacOSではどうだろうか?実際にMacOS 9.2.1上でAdobe Photoshop 6.0.1を使用して仮想メモリによって起動時間が変化するかどうかを検証してみた。すると、メインメモリの容量が少なく、なおかつ仮想メモリのサイズを大きく設定した場合は、仮想メモリがオフのときに比べて起動が30%ほど遅くなってしまった。だが、仮想メモリのサイズを最小(1MB)にすると、メインメモリの容量多少に関わらず、パフォーマンスの定価はわずかであった。つまり、仮想メモリのがオンの状態のままMacを使用しても、むやみに割り当てサイズを大きく品駆れば日常的な操作にほとんど影響しないわけだ。また仮想メモリをオンにすると、アプリケーションの必要メモリサイズが少なくて済むというメリットもあるので積極的に使用しよう。 「ディスクキャッシュ」とは、ハードディスクが頻繁に使う情報をメインメモリの一部に格納する機能のこと。ハードディスクよりもメモリのほうが高速に読み出せるため、マシンの処理速度が向上するというわけだ。ディスクキャッシュの設定は「メモリ」コントロールパネルで行う。MacOSでは、メインメモリ容量×32×1/1000KBを自動的に計算して「省略時設定」としている。しかし、この値を変更しようとすると、「ディスクキャッシュを変更するとシステムの処理能力がかなり低下します。」というダイアログが現れる。実際に容量384MBのメインメモリを搭載したiBook(Dual USB)でディスクキャッシュの設定値を変更して、パフォーマンスの違いを検証してみた。テストの内容はマシンの起動時間とファイルコピーに要する時間だ。結果はほとんど差が出ない。つまり、ディスクキャッシュに割り当てる容量は3000KB程度で十分ということだ。もし省略時設定で3000KB以上になっているようだったら、主導で数値を変えてアプリケーションに割り当てられるメモリを確保しよう。 MacOSやアプリケーションに割り当てられたメモリは、これらのプログラムが終了したときに開放される仕組みになっている。しかしその作業に失敗すると、実際は使えるはずのメモリ領域が利用できない状態になっていることがある。この現象は「メモリ・リーク」と呼ばれ、メモリ・リークにより利用可能なメモリ領域が減少すると、システムの性能が低下したり不安定になっていしまう。メモリリークを解消するには、マシンの再起動が一般的な方法だ。しかし実は、Finderだけを再起動すればメモリ・リークを解消できる事が多い。マシンの再起動には時間がかかるが、Finderだけの再起動なら時間の節約が出来る。ただし、Finderはアプリケーションのようにコマンドキー+「Q」キーで終了することは不可能。そこでFinderだけを再起動できるAppleScript「Finderの再起動」などのツールが必要となる。 メモリ価格の下落が激しい昨今、大容量のRAMディスクをハードディスク代わりに使用することも現実的となっている。RAMディスクには、 1.高速に動作する 2.静粛性が高い 3.消費電力が少ない という3点のメリットがある。RAMディスクは、「メモリ」コントロールパネルで「入」をチェックすると、マシン再起動後にデスクトップに現れる。RAMディスクの容量は、マシンに搭載しているメインメモリの容量に応じて調整しよう。なお同コントロールパネルでは、「再起動/終了時に内容をディスクに保存する」をチェックすることを忘れないようにしたい。 複数のMacでLANを組んでいる環境ならば、「ファイル共有」機能を利用することが多いだろう。「セレクタ」でボリュームをマウントするとき、右側にあるチェックボックスをオンにするとマシンの起動時に自動マウントされるようになる。しかしそのままにしておくと、共有ボリュームにアクセスする時間が起動時間に加算され、起動が遅くなるというデメリットが発生する。またサーバー側のマシンが起動していない場合は、タイムアウトするまで共有ボリュームを探し続けてしまう。自動マウントの設定を解除したい場合は、「システムフォルダ」の「サーバ」フォルダにあるエイリアスを削除すればいい。これにより、共有ボリュームへの不要なアクセスを減らし、マシンの起動時間を短縮できる。 マシンを高速化する方法には様々なものがあるが、簡単かつ効果的な方法が、不要なディスクアクセスを減らすことだ。そのためにはハードディスクの断片化を防止すればいい。ハードディスクの断片化とは、データの保存/削除を繰り返しているうちに生じる現象のこと。データが記録されている部分と記録されていない部分がハードディスクの中に混在すると、データは細切れに書き込まれる。このような状態では、データを読み出す際のディスクアクセス回数が増えてパフォーマンスが落ちてしまうというわけだ。従って、電子メールの書類やWebブラウザのキャッシュファイルなどのように頻繁に保存/削除するタイプのデータはシステムやアプリケーションとは異なるボリュームに格納したほうがいい。もし使用しているハードディスクにパーティションを設定していたいなら、「ディスクイメージ」を作ってその中にデータを記録するようにしよう。ディスクイメージとは仮想ボリュームのことで、MacOSに付属する「DiskCopy」で作成できる。 「ゴミ箱」の中にデータが何百MBもたまってしまうと、このデータを削除する操作に時間がかかり、イライラしてしまうものだ。このような場合は、「ゴミ箱をからに…」を選びデータを消去中であることを示すプログレスバーが表示されている状態で、コマンドキー+オプションキーを押し続けてみよう。iBook(Dual USB)で。この方法を使って容量300MBのデータを消去したところ、1分19秒かかる作業を6秒で処理できた。 SCSI-1やシリアルポートといったレガシーインターフェースしか備えていないマシンには、高速なインターフェースカードを増設しよう。SCSI-1の理論上のデータ転送速度は最大5MB/秒だが、FireWireは50MB/秒、Ultra 160SCSIは160MB/秒という桁違いの性能をもっている。これらのインターフェースを利用すれば周辺機器の能力を引き出せる。 CD-ROMやDVD-ROMドライブを搭載したMacユーザーの中には、外付けのCD-ROM/RWドライブを別途購入している人がいるだろう。そのようなユーザーには外付けのドライブでCD-ROMのデータを読み出すことをおすすめする。Macが内蔵するドライブは、FireWire接続のドライブに比べて実際のパフォーマンスが低いことが多い。たとえ内臓のドライブのスペック上の読み出し速度が32倍速だったとしても、実際には24倍速のFireWire接続ドライブのほうが高速に読み出しを行える。ただしドライブをUSB接続したいる場合は、内臓ドライブを利用しよう。USBインターフェースはデータ転送速度が最大12Mbps(1.5MB/秒)と遅く、実際には4〜6倍速程度のスピードでしかデータを読み出せないからだ。 Finder操作のヒントや様々な機能解説を見るために、「Macヘルプ」を利用することは多いだろう。しかしMacヘルプの起動が遅く、イライラしたこともあるはずだ。実はMacヘルプで見ることができるヘルプファイルはHTMLで記述されている。従って、日常的に使うことが多いWebブラウザでヘルプを閲覧すると便利だ。Macヘルプに対応しているアプリケーションのヘルプファイルは、「システムフォルダ」の「ヘルプ」フォルダに格納されている。「?」マークの付いたファイルをWebブラウザで開くと、ヘルプを閲覧できるはずだ。ヘルプファイルをWebブラウザで開いたら、ブックマークに登録しておこう。すると次回からは、Webブラウザ上でブックマークを選択するだけでヘルプを参照できるようなる。Finderの「ヘルプ」メニューから「ヘルプセンター」を選択した場合は起動に7秒かかったが、InternetExplorer5を起動した状態で「お気に入り」に登録したヘルプセンターを呼び出した場合は、表示に2秒しかからなかった。 MP3ファイルの作成や動画編集などを行っていると、標準の内蔵ハードディスクの容量はすぐに容量不足になってしまう。そうするとハードディスクの増設が必要となるが、せっかく増設するのであれば、パフォーマンスの高い製品を選択したい。ハードディスクの購入時に注意したいポイントは、 1.ディスクの回転数 2.ディスクの密度 3.シークタイム の三つ。1のディスクの回転数に関しては、数値が大きれば大きいほどいい。最近は回転数が1万回転/分を超えるほどの製品も登場しているが、価格と性能のバランスを考慮すると7200回転/分のものが現時点ではベストだ。2のディスク密度については、密度が高いほうがデータを読み出すヘッドの移動が少なくなるので高速になる。なお同じ容量のドライブなら、複数のディスクを組み合わせた製品よりも1枚のディスクで構成されているものの方が記録密度は高くなる。3のシークタイムとはヘッドが移動する速度のことで、この数値が大きいほどランダムアクセス速度が向上する。ハードディスクのスペックを見るときは、1.2.3の値を確認するように心がけよう。 いくらパフォーマンスの高いハードディスクを用意しても、その性能を引き出せるインターフェースがなければマシンの高速化は望めない。デスクトップ型のMacに内臓ハードいディスクを増設しようと考えている場合は、PCIスロットに挿入するタイプのUltra ATAカードも一緒に導入しよう。Ultra ATAには、データ転送速度が33MB/秒の「Ultra ATA/33」、66MB/秒の「Ultra ATA/66」、100MB/秒の「Ultra ATA/100」などの規格がある。青白PowerMacG3シリーズが採用されているのはUltra ATA/33.PowerMacG4シリーズが採用しているのは、Ultra ATA/66だ。これらのシリーズより古い機種については、SCSIあるいはUltra ATA規格の前身となるATAを採用している。このことから、青白PowerMacG3シリーズ以前のマシンの場合はUltra ATA/100に対応したPCIカードとハードディスクを増設すると、マシンの総合的なパフォーマンスが確実に向上するといえる。実際に、青白PowerMacG3 300MHzにUltra ATA/66対応のPCIカードとUltra ATA/100に対応の3.5インチドライブを増設したところ、容量の36MBのフォルダをコピーするのに1.5倍も高速化した。 |